盗聴法改悪反対要請書
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法制審・新時代の刑事司法制度特別部会 御中
委員 各位
【要請事項】
貴特別部会が４月３０日に発表した「事務局試案」について、以下要求するものです。
盗聴法（通信傍受法）の大幅な改悪に道を開く提案を撤回すること。
【要請の趣旨】
特別部会は、郵政不正事件や足利事件など相次ぐ冤罪事件を受けて、冤罪を生み出す捜査（密室での自白の強要、検察官の無実証拠隠しなど）の抜本的改革を目的として発足したものです。
しかし、事務局試案では、取調べの可視化についても、証拠の開示についても、本来求められていたものから大きく後退し、極めて限定的なものに留まっています。
その一方で、取調べの可視化で捜査力が低下するなど、警察･検察に都合のいい理屈をつけて、捜査機関、とりわけ警察の権限を拡大する方向性が打ち出されています。
私たちは、１９９９年の強行成立した盗聴法に反対し、その廃止を求めている団体です。
そもそも盗聴捜査そのものが憲法に違反する捜査です。そのため、法案審議でも、国民の大きな反対運動が起きました。その後の捜査について徹底した検証もされないもとで、事務局案では、盗聴捜査の大幅な緩和がされようとしています。
第一に、対象事件を一気に大幅に拡大しようとしています。
これまで４つに制限されていた対象事件を、詐欺や窃盗など一般的な犯罪まで含めて拡大しようとしています。これでは、盗聴捜査が通常の捜査手段とされ、多くの人たちのプライバシーなど人権を侵害する恐れがあります。
第二に、盗聴捜査の公正を担保するためにおこなわれている通信事業者の立会いをなくするとしています。これでは、警察の好き勝手に違法盗聴がおこなわれる危険があります。
昨年１２月、政府は秘密保護法を強行成立させ、さらには共謀罪の創設も狙っています。今回の盗聴捜査の要件緩和は、これらの捜査において大量の盗聴捜査がおこなわれかねず、そのために立会いをなくし「効率」化しようとしているのです。
特別部会では、盗聴法の改悪をおこなわず、本来求められる冤罪をなくすために必要な改革こそ、徹底議論すべきです。
名張事件第10次再審（最高裁）署名用紙
