日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

中央選管への要請文

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2019年 統一地方選挙にあたり公正で自由な選挙の実現を求める要請書  

中央選挙管理会  御中 
                      2019年2月19日
         選挙運動の権利を守る共同センター  
     RIGHT:構成団体 全国労働組合総連合
                                  RIGHT:自由法曹団
                                  RIGHT:日本国民救援会
         〔連絡先〕東京都文京区湯島2−4−4 平和と労働センター5階
               日本国民救援会中央本部 筺。娃魁檻毅牽苅押檻毅牽苅
 4月に統一地方選挙がおこなわれます。地方選挙は、住民みずからが今後の暮らしなど地方政治のあり方を決めるとても大事な機会です。同時に、今回の選挙は、安倍政権のもとですすめられている政治に対する審判の場でもあります。
日本国憲法は、主権者国民の権利として「公務員選定の権利」(15条1項)を規定し、住民が自治体の首長や議員などを直接選挙する(93条2項)としています。そして、公職選挙法は「選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われる」(第1条)ことの大切さを記しています。
ですから、主権者である国民が、政党や候補者の政策について十分な情報が提供されるもとで、国民同士が政治についておおいに議論し合うことが重要です。選挙においては、言論・表現の自由(憲法21条1項)が最大限保障されることが必要なのです。
しかし、日本の選挙は、公職選挙法によって言論・表現活動に不当な制限が加えられています。これは、憲法、そして国際人権規約に反するものです。市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)は、「参政権」「意見及び表現の自由」などの権利の享受を規定しています。自由権規約委員会は、日本政府に対して「公職選挙法が、表現の自由及び参政権に対して非合理的な制約を課していることの廃止」を求め、さらに、法律を改正する前であっても「思想、良心及び宗教の自由あるいは表現の自由に対する権利への如何なる制限を課すことを差し控えることを促す」と厳しい勧告をしています。
公職選挙法では、中央選挙管理会に対し、「常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知」(6条)することを要請しています。
以上をふまえ、私たち「選挙運動の権利を守る共同センター」は、公正で自由な選挙の実現をめざし、以下、貴会に要請するものです。
一 言論・表現活動の最大限の保障と、その大切さについて、広く周知・徹底すること
選挙において、憲法で保障された言論・表現活動が最大限保障されるために、貴会には、その意義を広く市民に周知・徹底することを求めます。
近年、投票率が極めて低いことが問題となっています。さまざまな要因が考えられますが、とくに、住民が選挙の際に、政治を議論すること、そのための情報が十分に提供されることがあまりにも少ないことで、主権者としての「政治常識の向上」がないことが最大の要因ではないでしょうか。自由権規約委員会も、この点を批判し、勧告をしています。
具体的な点を挙げれば、選挙の際に、政党や候補者の政策を知らせるビラを住民に届けるという大切な活動に対して、マンション等では管理人が拒否する事態が発生しています。貴会として、選挙の際に、政党や候補者がみずからの政策などを届ける活動の重要性を知らせ、不当な妨害を許さず、活動を保障するよう周知・徹底するよう求めます。現在は、従来よりも幅広い層の市民が選挙運動に参加するようになってきており、いっそうの周知・徹底が必要となってきています。
二 インターネット選挙に関連して
インターネットによる選挙運動が解禁されています。ツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が広く利用されているもとで、インターネットによる選挙運動は重要であり、安易な干渉・規制をして、主権者が萎縮しないよう、貴会が役割を果たすことを求めます。
三 選挙期間中の要求活動の保障を
選挙期間中であっても、主権者が自己の政治的意見を表明するために行動したり、労働組合や市民団体がみずからの要求の実現のためにおこなう街頭での宣伝、集会、演説等は、選挙運動にわたらない限り、公職選挙法違反にあたりません。
しかし、選挙期間中に予定されている要求を掲げたデモや集会等が、選挙管理委員会や警察の不当な判断によって、中止に追い込まれる事例があります。
憲法で保障された言論・表現活動への規制・介入は厳に慎まれなければなりません。貴会が、地方の選挙管理委員会にたいして、公職選挙法の趣旨に則り適切な指導・助言をおこなうよう求めるものです。
四 「公明かつ適正」な選挙を妨げる「企業・団体ぐるみ」選挙を許さないこと 
昨年9月の沖縄県知事選挙では、期日前投票において、企業が社員に対し、特定の候補者への投票を指示する事態が告発され、中には、特定の候補者を書いた投票用紙を撮影して報告を求めるという秘密投票に反する事例もありました。
このように、企業や団体などが、その構成員等に対し、利益誘導と強要を交えて特定候補者への投票や選挙運動を強いる「企業・団体ぐるみ選挙」は、憲法が定めた「投票の自由」、個人の「思想・信条の自由」を侵害する行為であり、「利益誘導罪」(公選法第221条)にあたる可能性がある行為です。
貴会が、「公明かつ適正」な選挙を妨げるこのような行為をおこなわないよう、広く周知・徹底すること、とりわけ企業などの関係機関に対して周知することを求めます。また、買収について厳しく監視し、それを許さないように、広く市民に周知・徹底することを求めます。
五 「公明かつ適正」な選挙を妨げる謀略ビラや暴力による選挙の妨害を許さないこと
過去の選挙でも、特定の政党や候補者・団体を誹謗・中傷する出所不明の謀略ビラ(怪文書)が、投票日の前夜などに全戸配布されるような悪質な行為が発生しています。また、候補者に暴力をふるったり、法定ビラの配布や選挙カーの宣伝活動を妨害する行為も発生しています。
こうした行為は、「公明かつ適正」な選挙を妨げるものであり、公職選挙法の「虚偽事項の公表罪」(235条)、「選挙の自由妨害罪」(225条)にあたる犯罪行為です。
貴会が、このような行為が犯罪であり、決しておこなわないよう周知・徹底するとともに、悪質な選挙妨害などについては積極的な告発も含め、厳正に対処するよう求めます。
〈関連法令〉
日本国憲法
(前文) 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。(以下、略)
第15条1項 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。                                     
同条 4項 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。
第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
第21条1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第93条2項 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

公職選挙法
第1条 この法律は、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする。
第6条 総務大臣、中央選挙管理会、参議院合同選挙区選挙管理委員会、都道府県の選挙管理委員会及び市町村の選挙管理委員会は、選挙が公明かつ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、特に選挙に際しては投票の方法、選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない。
第221条 次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
一 当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。
第225条 選挙に関し、次の各号に掲げる行為をした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。
一 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人に対し暴行若しくは威力を加え又はこれをかどわかしたとき。
二 交通若しくは集会の便を妨げ、演説を妨害し、又は文書図画を毀棄し、その他偽計詐術等不正の方法をもつて選挙の自由を妨害したとき。
三 選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者若しくは当選人又はその関係のある社寺、学校、会社、組合、市町村等に対する用水、小作、債権、寄附その他特殊の利害関係を利用して選挙人、公職の候補者、公職の候補者となろうとする者、選挙運動者又は当選人を威迫したとき。
第235条 当選を得又は得させる目的をもつて公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者の身分、職業若しくは経歴、その者の政党その他の団体への所属、その者に係る候補者届出政党の候補者の届出、その者に係る参議院名簿届出政党等の届出又はその者に対する人若しくは政党その他の団体の推薦若しくは支持に関し虚偽の事項を公にした者は、二年以下の禁錮又は三十万円以下の罰金に処する。
2 当選を得させない目的をもつて公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にし、又は事実をゆがめて公にした者は、四年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。

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