日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

大崎事件の再審開始決定に対する即時抗告に強く抗議する

FrontPage

大崎事件の再審開始決定に対する即時抗告に強く抗議する

 7月3日、鹿児島地方検察庁は、大崎事件の第3次再審請求(請求人・原口アヤ子さん及び、原口さんの元夫で共犯者の一人とされた男性の遺族)に対する、鹿児島地方裁判所の再審開始決定を不服として即時抗告をおこなった。この検察の即時抗告は愚行かつ暴挙であり、私たちは深い慷慨(こうがい)をもって強く抗議する。
 鹿児島地方裁判所(冨田敦史裁判長)は、弁護団が提出した法医学鑑定書や供述心理鑑定だけではなく、新たに開示された証拠や、確定審や過去の再審請求審で出された新旧証拠を総合的に判断した上で、確定判決に合理的な疑いが生じたとして、再審開始を決定した。
 私たちは、今回の再審開始決定が、最高裁の「白鳥・財田川決定」が示した「疑わしいときは被告人の利益に」の鉄則を貫き、裁判官の良心と法に照らして、事実と道理にもとづいたものとして、高く評価すると歓迎した。
 今回の決定は、第1次再審請求審の鹿児島地裁の再審開始決定(2002年3月)に続く、2度目の開始決定である。1983年に死刑から再審無罪となった免田事件以来2度目のことであり、白鳥・財田川決定後初めての事例である。その意味においても検察には、今回の決定の重みを踏まえ、無実の原口さんらを冤罪に陥れたこれまでの捜査と裁判への対応を厳しく反省し、即時抗告をおこなわず、再審開始決定に従い速やかに再審公判に応じることが求められた。
 私たちは、原口さんが満90歳となり、一日も早い救済が求められていると、鹿児島地検や最高検などに対して連日要請を繰り返してきた。私たちの訴えに賛同して、短期間に250を超える団体から「即時抗告を断念せよ」と要請書が届けられた。
 多くのマスコミ報道や新聞各社も社説などで開始決定を高く評価し、地元の南日本新聞は「決定を真摯(しんし)に受け止めて再審の扉を開け、公判で審理を尽くすべきだ。」と主張し、東京新聞は、「原口さんは、既に90歳。三審制でも過去2回の再審請求でも救えなかった。司法の恥と刻まれる」と、原口さんの一貫した無実の訴えを受けとめてこなかった司法の現状を痛烈に批判している。
 二度にわたる再審開始決定は、原口さんと弁護団だけでなく、全国の支援運動で勝ちとった成果である。その成果は、広範な国民の支持と共感によって支えられている。それだけに、検察の即時抗告申立は、「公益の代表者」としての検察の責務を放棄し、検察が信頼回復のために自ら打ち立てた「検察の理念」にも反するものとして、国民からの信頼を失い、社会から批判されることはまぬがれない。そして、原口さんが命がけで勝ちとった2度の再審開始決定が、検察の即時抗告で救済が遅れることになる。現行の検察官の上訴権の在り方が、厳しく問われている。
 私たちは、原口さんらの奪われた人権を回復するため、一日も早く再審開始を確定して無罪判決を勝ちとる決意を新たにし、引き続き冤罪をなくす司法改革に全力をあげてとりくむことを表明する。

2017年7月3日

日本国民救援会中央本部
同    鹿児島県本部
再審・えん罪事件全国連絡会
大崎事件・原口アヤ子さんの再審をめざす会

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional