日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

大阪地検特捜部証拠改ざん事件は、刑事裁判の原則を脅かす重大問題――冤罪生まぬ裁判へ、検察と裁判所の責任の検証と抜本改革を――

【声 明】

大阪地検特捜部証拠改ざん事件は、刑事裁判の原則を脅かす重大問題
――冤罪生まぬ裁判へ、検察と裁判所の責任の検証と抜本改革を――
2010年10月8日
日本国民救援会
会長 鈴木亜英

  郵政不正事件に関わって、大阪地検特捜部の主任検事が、重要な証拠物であるフロッピーディスクのデータを改ざんし、事件を捏造しようとしたことが明らかになりました。この問題は、「事実の認定は、証拠による」(刑事訴訟法)という刑事裁判の原則を著しく脅かす重大な違法行為であり、絶対に許せません。
  足利事件布川事件、名張事件などの冤罪事件を長年支援してきた国民救援会は、事件発覚後直ちに最高検をはじめ、特捜部の置かれている大阪・名古屋各地検に、事件の徹底究明などを求め要請してきました。マスコミは「前代未聞の事件」などと報道していますが、検察はこれまでも罪のない人たちを犯人に仕立て上げ、冤罪を作り出してきました。起こるべくして起きた事件と言わなければなりません。今回の事件は、一検察官の個人的問題、偶発的事件などというものではなく、これまでの検察組織の体質のあらわれであり、冤罪を生み出してきた日本の刑事裁判の構造的問題を、あらためて国民の前に明らかにするものとなりました。
  事件の根本には、検察・警察の体質と違法活動を増長させてきた裁判所の姿勢があります。
  検察・警察は、「犯人を有罪にするためには何をやっても構わない」「有罪が確定した者の再審は開かせない」という体質をもっています。国民の税金で集めた証拠物を、検察官の「所有物」でもあるかのように扱い、改ざん・捏造し、無罪につながる証拠を隠し、有罪の筋書きにあわせて「自白」や供述を強要し、「調書」を作り上げることが常態化しています。そのために、多くの無実の人たちや家族の人生が壊され、いまも苦悩を強いられているのです。
  同時に、検察の違法・不当な捜査・立証を監視すべき裁判所が、それを容認してきたことが問題の背景にあります。「違法な取調べで自白をさせられた」との訴えは聞き入れず、弁護人が無罪証拠の開示を求めても無視をする、さらには検察の立証の穴を、推論したり、補充したりして有罪としてしまう――このような裁判所の姿勢が、「何をやっても裁判所は容認する」との認識を検察の中に広げたことは明らかです。
  昨年から裁判員裁判が始まりました。もし証拠の改ざん・捏造や無罪の証拠隠しなどが今後もおこなわれれば、裁判員を務める国民は正確な判断ができず、結果冤罪に加担させられることになります。
  上記をふまえ、国民救援会は次の点を求めるものです。
一 今回の事件の徹底究明をおこない、その結果を公表すること。
一 冤罪犠牲者の声を聞き、これまでの冤罪事件を検証し、なぜ繰り返し冤罪が作り出されたのかについて、検察・警察・裁判所の構造的な誤判原因にメスを入れ、刑事裁判の鉄則を厳守する組織への抜本改革をおこなうこと。その検証のために、第三者機関を設置すること。
一 今回の問題の教訓を活かす第一歩として、検察及び裁判所は、いま冤罪で苦しむ人たちをただちに救済するために、検察官手持ち証拠の全面開示など必要な手立てをとること。
一 取調べの全面可視化(録音・録画)と、検察官手持ち証拠の事前全面開示を実施し、制度化すること。
一 検察・警察・裁判所が、憲法と国際人権規約(自由権規約委員会の勧告を含む)を学び、「冤罪を生まない」という刑事裁判の目的をつねに実現しようとする立場を堅持すること。
  日本国民救援会は、司法制度・刑事裁判のあり方を問い直し、冤罪を生まないための抜本改革をめざすとともに、冤罪で苦しむ人の救済に引き続き力を尽くす決意です。

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