選管ビラ
中央選挙管理会 御中
報道によれば、札幌市選管が、参院選公示後ＴＰＰ参加に反対するビラ（「ＴＰＰ問題を考える道民会議｣発行）を街頭で配布することは「公職選挙法違反の恐れがある」とＪＡ北海道中央会などに注意したことで、ＪＡ道中央会は配布を中止したとされています。
憲法は前文で、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、･･･主権が国民に存することを宣言」と、国民主権、議会制民主主義を明記しています。選挙は、国民が政治を大いに語り合い、自らの代表を選ぶ、政治に参加する重要な機会です。自由な選挙、憲法で保障された言論・表現の自由がもっとも保障されなければなりません。私たちはこうした立場から、国際的にも厳しく批判されている現行公選法・「べからず選挙法」の改正を求めてきました。
公選法第６条は中央選挙管理会や都道府県・市町村選挙管理委員会等が「選挙が公明且つ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治常識の向上に努めるとともに、…選挙違反その他選挙に関し必要と認める事項を選挙人に周知させなければならない」ことを明記していますが、これは、憲法に明記された言論の自由に関する諸条項を尊重することがもちろん前提です。
いま、報道されているように、多くの市民が国会にむけて、全国各地で、反原発のパフォーマンスを繰り広げています。消費税反対やさまざまな課題・要求実現の署名運動などが街頭で繰り広げられています。こうした活動を、「選挙中」だとして禁止することができるのでしょうか。選挙中だからこそ、国民の自由な言論が国民が政治について語り合うことが必要なのではないでしょうか。
こうしたことをふまえてみると、札幌市選管の「注意」と称する不当な干渉は、国民に保障された権利である意思表明を封じた憲法違反の行為です。そして、公明・適正な選挙執行に責任を負うべき選挙管理委員会が、対立する主張の一方に事実上くみした公職選挙法違反の行為です。公正・中立であるべき選挙管理委員会の権威を失墜させるものといえるのではないでしょうか。
違反の恐れがあるとか、可能性があるとして、恣意的に特定の主張や行動を封殺することが許されるならば、憲法や民主主義、国民の言論の自由は戦前のように死に至ります。
１４日に、北海道労連､自由法曹団道支部､新婦人道本部､道農協労連､国民救援会道本部の代表が、「不当な干渉やめよ」と、道選管に要請しましたが、道選管は、公選法の解釈上は問題はないとする一方、その後の市選管の対応（ビラ配布を注意して止めさせたこと）については承知していないと、まったく責任逃れの対応でした。
なお、関係組織は、札幌市選管へも申入れをおこなう予定です。
こうした事態を踏まえ、中央選挙管理会として、公明・適正な選挙を保障するために、札幌市選管及び北海道選管に対し、適切な指導、今回の行き過ぎた「注意」について道民に対する陳謝、憲法で尊重された権利保障の遵守、選挙管理委員会として公明適正な立場を貫くよう、指導されることを強く求めるものです。
名張事件第10次再審（最高裁）署名用紙
