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静岡県警の接見盗聴に強く抗議し、検察の即時抗告の取下げを求める声明

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静岡県警の接見盗聴に強く抗議し、検察の即時抗告の取下げを求める声明
2015年4月16日
日本国民救援会
会 長  鈴木 亜英

 袴田事件の第2次再審請求審の即時抗告審において、袴田巌さんが逮捕から5日目の1966年(昭和41年)8月22日午後4時40分から約5分間、当時の弁護人であった岡村弁護士と袴田さんの清水警察署内における接見時の会話が盗聴されていたことが明らかになった。
 弁護団によれば、問題の盗聴は、即時抗告審で検察が開示した、「袴田事件」と書かれた段ボール箱2箱に収納されたオープンリールテープ23巻を分析する中で、外箱に「8月22日 No2 午後4時40分〜45分 岡村弁ゴ士」との記載があるテープに収録されていた。そのテープには、袴田さんが当時の弁護人であった岡村弁護士に、事件とは無関係であり、無実を訴えている会話が録音されていた。
日本国憲法34条及び刑事訴訟法39条1項、国際人権B規約14条3項は、被疑者・被告人は捜査機関に接見の内容を知られることなく弁護人と接見する権利である秘密接見交通権を保障している。
 秘密接見交通権は、身柄を拘束されている被疑者・被告人が、萎縮することなく弁護人と意思疎通を図り、その助言等の援助を受けるとともに、有効な防御活動を行うために不可欠で極めて重要な権利である。法務省刑事局長も、「(刑訴法)39条1項というのは接見時の秘密を保障したもので」「(盗聴して)その秘密を侵害することは許されない行為」と国会で答弁している(4月14日参議院法務委員会で日本共産党・仁比聡平議員の質問に対する答弁)
 今回、袴田さんと弁護人の接見が盗聴されていたことが明らかになったことにより、当時の静岡県警が、違法に違法を重ねて無実の袴田さんを犯人へと仕立て上げていったことがより一層明らかになった。まさに、静岡地裁の再審開始決定で指摘した「捜査機関の違法、不当な捜査」が確かに存在していたことを一層強く裏付けるだけでなく、「5点の衣類のねつ造が行われたとしても特段不自然とは言えない」とした判断の正当性・合理性を裏付けるものである。
 国民救援会は、静岡県警による被疑者と弁護人との接見の盗聴など、違法捜査や証拠のねつ造に対し強く抗議する。同時に、このような組織的な違法行為が明らかになった以上、「公益の代表者」たる検察官は、直ちに即時抗告を取り下げ、違法捜査の実態を解明すべきであり、あくまで検察が抗告の取り下げを拒否するならば、裁判所の責任において直ちに即時抗告を棄却すべきである。
 今国会には刑事訴訟法等「改正」案と盗聴法の改悪法案が一体で提出されている。そもそも今回の刑訴法等「改正」の議論は、厚労省郵便不正・村木事件や相次ぐ冤罪事件の再審無罪などを契機に、冤罪防止のためのものであった。ところが政府は、冤罪防止には全く不十分な制度改革に留める一方で、警察・検察の権限を拡大する司法取引の導入や盗聴法の改悪法案の成立を画策している。警察には、冤罪への反省が全くないのである。だから、以前から接見盗聴をやっていた事実を隠してきたのである。これでは冤罪はなくならない。いますすめられようとしている議論をする以前に、今回の接見盗聴への謝罪と徹底した原因究明を強く求める。そのうえに立って、冤罪防止のための抜本的改革が求められる。
 また、憲法34条等が保障する秘密接見交通権を踏みにじり、裁判で警察の組織的な盗聴が断罪され確定した緒方宅電話盗聴事件への反省がいまだない警察に、これ以上の盗聴捜査の権限を与えることは絶対に許されない。盗聴法の改悪法案の撤回を強く求めるものである。

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