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森英介法相による再びの死刑執行に抗議する

森英介法相による再びの死刑執行に抗議する  

2009年1月30日
日本国民救援会
会 長  鈴 木 亜 英

法務省は29日、4人の死刑を執行したと発表した。森英介法務大臣が就任してから、10月28日の2人に対する執行以来再びの死刑執行であり、一挙に4人の執行は、2008年4月以来のものとなる。国民救援会は、死刑制度の存廃に関する国民的議論を尽くさないままに、現在の司法が治安強化の立場から厳罰主義に傾斜して死刑判決が増加しているという異常な現状のもとで、国際人権章典の精神や死刑廃止の国際的な流れから繰り返し起こっている内外の厳しい批判に対して、無自覚なままに平然と逆行する行為となるこの死刑執行に厳しく抗議する。

  1. 国民救援会は、戦前、拷問など残虐刑罰廃止を掲げて運動し、戦後は、不当な死刑判決を宣告された犠牲者を助けだした実績をつくってきた反面、無実を叫びながら死刑を執行された苦い経験をもっている。
  2. 人間の行う裁判制度に絶対的に誤りがないということはいえず、誤判による死刑はその悲惨さとともに、回復不可能な刑罰であり、加えて、国民救援会は、誤判だけでなく、松川事件などのように権力によって意図的に死刑を言い渡された恐怖も身をもって体験してきた。
  3. 死刑存置論の根拠として、犯罪抑止力と被害者の感情などが挙げられているが、犯罪抑止力の効果については立証されておらず、また、応報感情・思想は歴史的にも変化しており、近代の刑罰制度においては、応報刑から教育刑、身体刑から自由刑へと大きく変わってきているのである。
  4. 世界的には、国際人権諸規定で死刑廃止の方向が打ち出されて、現在、世界の半数近い国で死刑が実質的に廃止されている。日本国内においても、施行のま近い裁判員裁判で国民が死刑判決に関与することから、死刑制度について論議が広がり始めているところである。
  5.  国連自由権規約人権委員会においても、日本政府に対して2度にわたって「死刑廃止に向けて努力すべきである」との勧告が出された(1993年、1998年)うえで、2008年10月31日の総括所見においては、さらにふみこんで「世論の動向にかかわりなく死刑の廃止を考慮すべきであり、一般世論に対して、死刑を廃止すべきであるということを必要な限り説明すべき」ことが勧告された。また、これに先立つ2007年5月18日、国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告においては、日本の死刑制度の問題点を指摘したうえで、死刑の執行を速やかに停止するべきことなどが勧告されている。さらに2008年12月18日には、国連総会本会議において、すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める初の決議が圧倒的多数で採択されてもいるのである。

以上のとおりで、国民救援会は、森法相による再びの死刑執行に抗議するとともに、当面、死刑の執行を停止し、死刑廃止条約を批准して、死刑を廃止することをあらためて要求するものである。

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