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鹿児島・大崎事件の再審開始決定にあたっての声明

声明・見解

鹿児島・大崎事件の再審開始決定にあたっての声明

 本日、鹿児島地方裁判所(冨田敦史裁判長)は、冤罪・大崎事件の第3次再審請求(請求人・原口アヤ子さん及び、アヤ子さんの元夫で共犯者の一人された男性の遺族)について、原口さんたちが真犯人であると認定するには合理的な疑いが残ることは明白であり、もはや有罪判決は維持することができないとして、再審開始を認める決定を行った。
 私たちは、最高裁の「白鳥・財田川決定」が示した「疑わしいときは被告人の利益に」の鉄則を貫き、裁判官の良心と法に照らして、事実と道理にもとづいた再審開始決定を高く評価する。
 そもそも本件では、原口アヤ子さんと犯行を結び付ける物的証拠は何一つないにもかかわらず、原口アヤ子さんは、警察の過酷な取り調べによって「共犯者」とされた男性3人らの「嘘の供述」によって有罪とされ、無実の罪で10年に及ぶ獄中生活を余儀なくされた。原口さんと家族は、今日まで殺人犯の汚名を着せられ、長く苦しい屈辱の日々を強いられてきた。原口さんは、6月15日で満90歳となったが、逮捕以来38年間にわたって一貫して「あたいはやっちょらん」「今回が、私が生きているうちに無実を明らかにする最後の裁判になるかも知れません。しっかり調べをして、私を無罪にしてください」と、裁判官に訴えてきた。
 第3次再審請求審では、弁護団が提出した死因に関する法医学鑑定書、確定判決の根拠とされた関係者の供述に関する心理学者の鑑定意見書などの新証拠と、これまでの裁判で検察が隠し持っていた証拠が開示され、原口アヤ子さんらの無実がいっそう明らかにされた。例えば、これまでの法医学鑑定は、確定審段階の法医学鑑定書に添付されていた写真をもとに行われてきたが、初めてこれらの写真のネガ原本が開示され、直接印画した鮮明な写真を用いて鑑定人尋問を実施され、確定判決が認定した「タオルによる絞殺」ではなく、被害者が遺体で発見される前に自転車ごと側溝に転落していたことによる事故死(出血性ショック死)の可能性が裏付けられた。本日の再審開始決定は、あらためて証拠開示の重要性を浮き彫りにした。
 原口さんは、満90歳となり加齢による認知症の症状も進行し、一日も早い救済が司法に求められている。検察は、無実の原口さんらを冤罪に陥れたこれまでの捜査と裁判への対応を厳しく反省し、即時抗告をおこなわず、再審開始決定に従い速やかに再審公判に応じることを強く求める。
私たちは、原口さんが事件発生から38年間一貫して無実を訴えていることを受け止め、裁判資料の学習や現地調査などを重ねて、原口さんらの無実を確信して支援運動を続けてきた。大崎事件の再審をめざす運動にこれまでご支援をいただいた全国の皆さんに心から感謝申し上げ、原口アヤ子さんが元気なうちに一日も早く再審無罪を勝ち取るまで、ご支援を訴え、引き続き奮闘する決意を表明する。

2017年6月28日

                      日本国民救援会中央本部
                      日本国民救援会鹿児島県本部
                      再審・えん罪事件全国連絡会
                      大崎事件・原口アヤ子さんの再審をめざす会

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