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最高裁は問題の検証と真実の究明を 砂川事件・田中長官の憲法違反行為問題

声明・見解

最高裁は問題の検証と真実の究明を
2013年4月12日
日本国民救援会
会長 鈴木亜英

 報道によれば、砂川刑事特別法事件(以下、砂川事件)の上告審の審理にあたって、当時の田中耕太郎最高裁長官が、アメリカ駐日公使と会い、評議の内容や公判期日、判決期日の見通しなど裁判の状況を伝えていたことが明らかになりました。
 砂川事件は、1957年7月に米軍立川基地にデモ隊が数メートル立ち入ったことに対し、安保条約にもとづく行政協定に伴う刑事特別法を用いて逮捕・起訴したものです。一審の東京地裁(伊達秋雄裁判長)は1959年3月30日、「米軍の駐留は憲法第9条(戦力の不保持)違反」として無罪判決を言い渡しました。これに対し、国は、高裁を飛び越え、最高裁に跳躍上告をおこないました。最高裁は同年12月16日、大法廷(田中耕太郎裁判長)で、外国の軍隊は戦力にあたらない、日米安保条約のように高度な政治性をもつ条約については、明白に違憲無効と認められない限り、司法審査の対象とならないとし、全員一致で一審判決を破棄し、審理を地裁に差し戻しました。
 今回明らかになった資料は、田中長官が米駐日公使と会い、「評議は全員一致になるよう、少数意見を回避する」と評議の内容まで述べていたことが、米大使館から国務長官に送った公電に記されていたものです。
これまでにも、砂川事件の最高裁判決をめぐっては、一審判決直後にマッカーサー駐日大使が藤山愛一郎外相(当時)と会談し、最高裁に跳躍上告するよう働きかけている事実が米大使館から国務省宛の公電等によって明らかになっています。また、田中長官が、駐日大使に、判決の見通し、判決の期日などの情報を知らせた事実も明らかにされています。
 田中長官は、松川事件で国民的な裁判批判を「雑音」とし、「耳を貸すな」と暴言を吐いていたその裏で、アメリカの声に「耳を傾けていた」のです。
 田中長官の行為は、「憲法の番人」である最高裁みずからが、裁判の独立や「公正な裁判を受ける権利」など憲法で保障された大事な権利を侵し、アメリカに司法権を売り渡した、憲法違反の行為です。
このような重大な問題について、最高裁は「事実関係を確認できないのでコメントすることはできない」などと他人事のようなコメントを出しています。
 国民救援会は、最高裁が、公開されたアメリカの文書や最高裁に残された文書などを調査し、当時の関係者への聞き取りも含め、事実を徹底的に明らかにし、検証したうえで、真実を国民の前に明らかにするよう強く求めるものです。

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