日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

国公法弾圧堀越事件:東京高裁無罪判決について

【声明】

国公法弾圧堀越事件:東京高裁無罪判決について  

2010年3月29日
日本国民救援会
会長 鈴木亜英

 本日、東京高裁(中山隆夫裁判長)は、国公法弾圧堀越事件について、一審の罰金10万円・執行猶予2年の不当判決を破棄し、逆転無罪判決を出した。
 この事件は、社会保険事務所職員(事件当時)の堀越明男さんが日本共産党の機関紙号外を休日に自宅付近で職務と関係なく配布したことを、国家公務員法(政治的行為禁止規定)に違反するとして2004年に起訴されたものである。

 判決は、休日に職務とは全く関係のない地域で、日本共産党の機関紙号外を配布したことを罰することは憲法21条に違反すると断じた。また、国家公務員の政治活動を全面的に刑罰をもって禁止する国公法と人事院規則を合憲とした猿払事件最高裁判決(1974年)以来、国公法弾圧事件での初めての無罪判決である。この判決は、堀越さんや弁護団の奮闘や守る会をはじめとする多くの国民の運動、さらに国際自由権規約委員会などの厳しい批判を反映したものといえる。国民救援会は、堀越さんをはじめ、言論の自由を守るためにともにたたかってきたみなさんとともに、喜びを噛みしめたい。

 東京高裁では、14回の公判を重ね、8人の学者と国公労連および郵政産業労組の元役員2人の証言が行われ、国家公務員法の規定が憲法21条や国際自由権規約に違反することが明らかとされた。
この審理を踏まえ、判決は、我が国の民主主義はより成熟し、国民は民主主義を支える表現の自由がとりわけ重要な権利であるという認識を一層深めてきていると指摘し、今日では、公務員の政治活動を全面的に禁止することはゆるされないとした。そして、堀越さんの行為が行政の中立的運営及びそれに対する国民の信頼の確保という保護法益を侵害するとは考えられないから、国公法を適用することは、憲法21条(表現の自由)に違反するとして、堀越さんを無罪とした。加えて判決は、公務員の政治的行為を刑事罰の対象とすることの当否についても再検討を求めた。
 ただし、判決が国公法を合憲とし、猿払判決が今日なお実質的基準として通用するものとしている点は問題である。

 国民救援会は、東京高検が不当な起訴を猛省し、上告しないことを強く求める。また、この判決を力に、5月13日に東京高裁(出田孝一裁判長)で判決が予定されている世田谷国公法弾圧事件で、宇治橋眞一さんの無罪判決をめざし、全力を挙げるものである。
 憲法に違反する国家公務員法の規定の廃止を求め、言論・表現の自由を守るため奮闘する決意を表明する。

以上 

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