袴田事件結審
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袴田事件第２次再審請求審が結審、来春に決定
静岡・袴田事件で12月16日、再審請求人で袴田巖さんの姉・ひで子さんの最終意見陳述が静岡地裁でおこなわれました。また、その後の三者協議で検察側が新たな証拠を追加で提出しようとしましたが、裁判所が却下。これにより第２次再審請求の審理が結審し、来春ごろには裁判所の決定が出される予定になっています。意見陳述に先立ち、支援者らは袴田ひで子さんと弁護団の激励と静岡地裁・地検に対しての要請行動を行い、16人が参加しました。
裁判所が袴田さんの意見聴取に東京拘置所へ
袴田事件の弁護団は裁判所に対して、再審請求人の袴田巖さんに直接会って意見を聞くように申し入れていました。これについて、裁判官ら3人と書記官が12月2日、東京拘置所を訪れたことが裁判所から報告されましたが、結果的には巖さんと面会することは叶わなかったとのことです。袴田巖さんは認知症、あるいは長年の拘禁生活による精神疾患が疑われており、すでに３年以上にわたって姉・ひで子さんとも支援者とも面会が叶っていません。
裁判所によると、拘置所の職員に、意見の聴取に来たので拒絶されても何度も説得してほしいと伝え、職員もその旨を巖さんに伝えて5分ほど説得を試みたが、「嘘なんか言ってもしょうがない。シンイ（あるいはシンギ：注・拘置所職員がうまく聞き取れなかった）を聞いて従えばいいんだ」、「面会は必要ない。儀式が終われば、それが法律になる」、「どうしたって、死刑になるんだから」などの返答があり、顔の前で手を左右に振り、面会を拒否したとのことでした。
姉・ひで子さんと弁護団が最終意見陳述
確定判決はすでに破綻！ 再審開始を
最終意見陳述は非公開でおこなわれました。袴田ひで子さんは、意見陳述では「巖が言わんとしていることを私が言おうと思った」として、袴田巌さんが元気だったころ、47年前の手紙に書かれた「事件には真実関係ありません。私は白です」という訴えを、大きな声で裁判長に届けたと報告。「これから裁判が決着しますが、再審開始を願っています」と語りました。
弁護団は、� 孱掬世琉疥燹廚�袴田さんのものではないこと、�◆孱掬世琉疥燹廚�犯行着衣だということへの重大な疑問、�３猟衄酬茲離好函璽蝓爾�破綻していることが、DNA鑑定や味噌漬け事件、澤渡鑑定の新証拠をはじめ、証拠開示によって明らかになったとパワーポイントを使ってわかりやすく弁護団の最終意見を述べました。
最後に西嶋弁護団長は、「疑わしきは被告人の利益にとの刑事裁判の鉄則に忠実たらんとすれば、袴田巖に再審開始の決定を言い渡すほかない。そして、死刑の執行を停止し、不当な長期の拘束から彼を解き放たねばならない」と弁論を結びました。
検察のＤＮＡ鑑定の新証拠を裁判所が却下
袴田事件では、12月2日にすでに双方の最終意見書の提出がおこなわれていたにもかかわらず、その後突如検察がDNA鑑定にかかわる新たな証拠を裁判所に提出しようとする動きがありました。12月12日付で、検察は科警研に意見を聴取した「捜査報告書」という証拠を新たに静岡地裁に提出しており、弁護団は同日付でこれを証拠採用しないことを求める意見書を提出していました。
静岡地裁は、この証拠が既に今年の春に双方が鑑定人を出して審理を終えているDNA鑑定についての証拠であること、また12月2日を最終意見書の提出としていたことなど、検察には必要な主張をおこなう猶予が十分にあったことを挙げて、この証拠を「明らかに著しく信義則に反する」として採用しないことを決定しました。
名張事件第10次再審（最高裁）署名用紙
