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袴田事件の再審開始決定にあたっての声明

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袴田事件の再審開始決定にあたっての声明

 本日、静岡地方裁判所刑事第1部(村山浩昭裁判長)は、えん罪・袴田事件の第2次再審請求について、「再審開始」と「刑の執行停止」にあわせて「拘置の取り消し」を行い、袴田巌さんの身柄の釈放を認める画期的な決定を行った。
 私たちは、1966年8月の不当逮捕以来48年近くに及ぶ独房での過酷な拘禁生活と死刑執行の恐怖によって、現在袴田さんは心身の健康を著しく害しており、78歳と高齢であることも考慮し、「再審開始」と「刑の執行停止」にとどまらず、「拘置の取り消し」による袴田さんの即時釈放を強く求めてきた。
 再審開始決定が「刑の執行停止」にとどまらず袴田さんの身柄の釈放を認めたことは、これまでの免田、財田川、松山、島田事件でも認められなかったことで、死刑再審事件では歴史的かつ画期的な決定であり、裁判所の英断を高く評価する。
 検察は、無実の袴田さんを死刑に陥れたこれまでの捜査と裁判への対応を厳しく反省し、再審開始決定に従い即時抗告をおこなわず、速やかに再審公判に応じることを強く求める。
 今回の第2次再審請求審では、裁判所の勧告などにより実現した証拠開示によって、袴田巖さんが無実であることを示す約600点に及ぶ多数の証拠が検察により長年隠されていたことが明らかにされた。また、今回の第2次再審請求審ではDNA鑑定や新証拠に関する証人尋問など5年余に及ぶ事実調べの結果、袴田さんを有罪とする決定的証拠とされた「5点の衣類」についても、袴田さんが犯行時に着ていた衣類であるとする確定判決の認定に重大な疑問が生じた。これまで裁判所に提出された新旧すべての証拠を予断なく検討すれば再審開始の決定は至極当然の結論である。
 本決定は、名張毒ぶどう酒事件福井女子中学生殺人事件など、再審開始不容認に傾く裁判所内部での新たな「巻き返し」が危惧されるなかで、「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の鉄則は再審請求審にも活かされるとした「白鳥・財田川決定」に添うものであり、今後の再審事件にも大きな影響を与えるものと確信する。
 袴田事件は、代用監獄での「自白の強要」と検察の証拠隠しという、冤罪を生み出す我が国の刑事司法の構造的な問題をあらためて浮き彫りにした。
 私たちは、現在、「新しい時代の刑事司法のあり方」を検討している法務省・法制審「特別部会」が、死刑事件での再審開始決定という深刻な事態を直視して、冤罪を生み出す日本の刑事司法の構造的な誤判原因を解明し、取調べ全過程の可視化や検察官手持ち証拠の事前全面開示など、冤罪をなくすために抜本的な再発防止策を直ちに提言することを強く求める。
 最後に、事件発生以来一貫して弟の無実を信じ、全国を行脚して支援を訴えた姉の袴田ひで子さん、弁護団の長年の労苦に対して敬意を表する。あわせて、袴田さんの救出に奮闘されたすべての個人、団体のみなさんをはじめ、署名など支援を寄せていただいた全国の方々に感謝するとともに袴田さんの再審無罪判決を勝ちとるまで、引き続くご支援を訴える。
 私たちは、袴田巖さんの奪われた人権を回復するため、一日も早く再審無罪判決を勝ちとる決意を新たにし、全力をあげて支援活動を続けていくことを表明する。

 2014年3月27日

日本国民救援会中央本部
日本国民救援会静岡県本部
再審・えん罪事件全国連絡会

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