日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤に、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支える人権団体

湖東記念病院人工呼吸器事件の再審開始確定にあたっての声明

FrontPage

湖東記念病院人工呼吸器事件の再審開始確定にあたっての声明
2019年3月20日
日本国民救援会中央本部会長 望月 憲郎
   同  滋賀県本部会長 中野善之助

 滋賀県・湖東記念病院で2003年5月22日、72歳の男性入院患者が死亡しているのが発見され、当時看護助手だった西山美香さん(39歳)が「人工呼吸器を引き抜いて殺した」犯人とされ、無実を訴え、再審(やり直し裁判)を求めている事件で、最高裁判所第2小法廷(菅野博之裁判長)は、3月18日付で、大阪高裁の再審開始決定を認め、検察官の特別抗告を棄却する決定を出した。これにより、大津地裁でのやり直し裁判(再審裁判)が始まり、西山さんに晴れて無罪の判決が出される見通しとなった。
 この事件では、証拠とされたものは本人の「自白」以外になく、確定審の大津地裁は「自白に迫真性がある」と「自白」の信用性、任意性を認め、懲役12年の有罪判決をくだした。これが最高裁で確定し、西山さんは和歌山刑務所への服役を余儀なくされた。
 西山さんは取り調べの苦しみと悩みから自殺をはかったり、刑務所でもくやしさから自暴自棄になり反抗して懲罰を受けるなどしてきた。青年期の13年余りを拘束された。
 こうしたなか、ご両親、弁護団の必死の働きかけもあって、2012年の第二次再審請求申し立てからは、西山さんを知る恩師の方々の支援に加え、国民救援会も地元滋賀県本部や関西府県本部など全国組織をあげた救援運動が展開されるようになった。国民救援会は、幾多の冤罪事件と同様にこの事件が、密室でつくられた虚偽の自白にもとづいていることを明らかにして冤罪救済を訴えてきた。弁護団は、死因は人工呼吸器を引き抜いて呼吸を途絶させた窒息死ではないこと、自白のように、3分間の呼吸停止で人は死なないこと、遺体の血液中のカリウム値などから死因は致死性不整脈(自然死)の可能性が高いこと、などを専門的科学的見地から明らかにした。こうした弁護団の条理を尽くした合理的で道理にかなった主張と立証に、自白の信用性、任意性に重大な疑いが生じたとして、2017年12月大阪高裁が再審開始決定を出し、再審への大きな道を拓いたのである。最高裁の今回の決定は、大阪高裁のこの判断を認めた、極めて真っ当なもので、われわれはこの決定を心から歓迎する。
 不屈にねばり強くたたかってきた、西山さんやご両親、弁護団の活動に深く敬意を表するとともに、支援運動にご協力をいただいた多くの皆様に心から感謝を申し上げる。
 再審裁判では、無実の罪に追い込んだ捜査や、冤罪を見抜けなかった当初の裁判、さらには、無辜の救済という再審制度の目的から逸脱し、最高裁へ特別抗告し1年4カ月もいたずらに審理を引き延ばした検察の態度は公益の代表者にあるまじきもので、厳しく批判されなければならない。再審裁判では検察は無罪を求刑し西山さんに謝罪すべきである。本事件は、再審法の改正や、自白強要を防止する取調べへの弁護士の立ち合いを認めるなど、司法制度の改革も提起している。
 日本国民救援会は、西山さんの早期無罪判決の確定をめざすとともに、こうした冤罪犠牲者を生まない、すぐに救済できる司法制度へと改革する取り組みともあわせ、全力で運動を進める決意である。

powered by Quick Homepage Maker 3.60
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional