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給費制声明

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民主党政調会長の貸与制移行方針容認に断固反対する(声明)
民主党は給費制の維持・継続のための裁判所法改正を急げ

 民主党の前原政策調査会会長は11月1日、司法修習生に対する給費制を廃止し、貸与制に移行する政府方針を了承する方針を明らかにした。同党の法務部門会議・PTなどでは給費制の維持・継続を求める議員が多数であったが、フォーラムによる第一次とりまとめとの関係で数回にわたる関係会合でも結論を出しえず、前原政調会長にその判断を一任していた。記者会見の場で前原政調会長は、「私も父をなくしてから奨学金を活用し、中・高・大学と学ばせてもらった。借りたものは返済することが法曹界に限らず基本だと思う」(時事通信)と述べたという。学校教育と修習の場を混同してのこの例えは、同氏が司法修習制度についてまったく理解していなかったことによる発言と理解せざるを得ず、われわれ市民連絡会は、前原政調会長の政府方針容認の判断に断固反対し、給費制の維持・継続を求める。

 あらためていうまでもなく司法修習生は司法試験に合格した者が最高裁判所に採用され、修習専念義務を課されて実務研修しているのである。企業でいうなら試採用期間中のオン・ザ・ジョブトレーニングに相当し、種々議論はあるもののきわめて労働者性が高いといえる。そのような者たちに対し雇用主が給与を支給するのは当然のことであり、「借りたものは返済することが云々」とはまったく次元の異なる話である。
 今日のわが国法曹養成にかかる最大の問題は、裁判官や検察官、弁護士を目指すには経済的負担が過大すぎることである。先の司法制度改革で司法試験受験資格を得るには、大学を出てから原則3年間の法科大学院を履修することが義務づけられた。雇用状況の悪化により経済的ゆとりのない家庭が激増している中にあって、大学4年、法科大学院原則3年の経済的負担に耐えられる国民は少ない。加えて司法修習生に対する給費制廃止となれば、一般市民が法曹を目指すことはさらに困難になるのは明らかである。今期の司法試験合格者の中でも、「貸与制になれば修習を断念せざるを得ない」という声が既に現実のものとなっていることを重く受けとめなければならない。

 政府機関として設置された「法曹の養成に関するフォーラム」は、本格的議論に先んじて貸与制移行へのとりまとめを強行したが、内容全般にかかる検討はようやく緒についたばかりである。給費制の存廃は法曹養成にかかる国の財政支援全体のあり方の中で結論を見出すべきであり、それまでは維持・継続するのが当然である。
 民主党政策調査会は政府方針容認の判断をただちに撤回し、司法修習生に対する給費制の維持・継続のための裁判所法改正を急ぐべきである。

2011年11月 2日
                      司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会

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