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横浜事件第4次再審裁判、免訴判決に抗議する

会長声明

横浜事件第4次再審裁判、免訴判決に抗議する  

2009年4月1日
日本国民救援会中央本部
会 長  鈴 木 亜 英

 3月30日、横浜地方裁判所刑事部・大島隆明裁判長は、15年戦争の下での最大の言論・思想弾圧事件といわれている「横浜事件」の犠牲者小野康人氏の遺族小野新一さんらが請求した第4次再審請求事件について、またもや免訴の判決を言い渡した。
 そもそも横浜事件は、日本の軍国主義が敗北する直前の1945(昭和20)年、神奈川県の特高警察がデッチ上げた事件であり、二つの重大な問題が問われているのである。
 
 第1は、この事件は、特高警察が何らの根拠もなしに60名を上回る言論人を逮捕し、言語に絶する凄惨な拷問を加え、嘘の自白を強制した恐るべき権力犯罪だということである。
 実に4名が拷問により獄死させられ、1名が釈放直後に死亡している。拷問によりウソの自白を強いられた言論人は36名に上っている。再審裁判では、この凄惨な実態を明らかにして無罪判決を言い渡すべきだった。
 
 第2は、この事件では、真実を明らかにすべき責務を有する裁判所が、あろうことか訴訟記録をすべて焼却し、加えて、なんらの事実審理も行わず1回の公判で、被告人らを「有罪」とする判決を言い渡したのである。
 1945年8月、天皇制政府が無条件降伏したのちの9月、この恥ずべき行為を猛省し、犠牲者全員に無罪を宣告することによって救済することが裁判所の取るべき態度であった。しかるに第3次の再審裁判では、最高裁判所をふくめて、すべての裁判所が免訴の判決を言い渡して、その責任を回避してきた。

 このたびの第4次再審判決は、「(確定)判決が終戦直後の混乱期に言い渡され、裁判記録が故意に破棄されたと推認される」「裁判所が不都合な事実を隠そうとした可能性が高い」などと、従来の判決より踏み込んだ認定をした。しかし、無罪判決による名誉と人権の回復を切望する遺族(再審請求人)の強い思いを無視し、形式的な法律論を展開しただけで事件の真相を明らかにせず、姑息にも免訴ということで司法の責任を回避した。今回の免訴判決は、国民の司法への信頼を失墜させたものと云わざるを得ない。

 治安維持法と特高警察による過酷な弾圧の責任を追及し、犠牲者の救済と補償を要求している日本国民救援会は、この判決にあらためて強く抗議する。
日本政府は、可及的すみやかに、治安維持法によって逮捕・投獄され、残虐な拷問や刑罰をうけたすべての犠牲者と家族に謝罪し、名誉回復と損害賠償を行うことを、あらためて強く要求する。
日本国民救援会は、言論の自由なきところに民主主義は育たないことに思いを致し、憲法改悪を狙い、アメリカの大義なき戦争に屈従してきた自・公連立内閣の下で引き起こされている言論・表現活動に対する弾圧とのたたかいのいっそうの強化を呼びかけるものである。

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