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【抗議声明】山下貴司法相による死刑執行に抗議する 2018年12月27日

抗議声明

山下貴司法相による死刑執行に抗議する
2018年12月27日
日本国民救援会
会長 望月憲郎

 山下貴司法務大臣は本日、2人の死刑を執行した。国民救援会は、この死刑執行に厳しく抗議する。死刑制度の存廃に関する国民的議論を尽くさずに死刑を執行したことに、厳しく抗議するものである。

国民救援会は、戦前、拷問や残虐な刑罰の廃止を掲げて運動し、戦後は、免田事件、財田川事件、松山事件、島田事件の死刑再審無罪事件をはじめ、不当な死刑判決など有罪判決を宣告された冤罪犠牲者を救出してきた。現在も、無実の死刑囚、袴田事件の袴田巌さんの支援をしている。他方、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さんは冤罪を晴らせぬまま無念の獄死をした。熊本・菊池事件のように、支援していた死刑囚が無実を叫びながら死刑執行された苦い経験をもっている。

人間の行う裁判に絶対的に誤りがないということはいえず、誤判による死刑はその悲惨さとともに、回復不可能な刑罰であり、加えて、国民救援会は、誤判だけでなく、松川事件などのように権力によって意図的に死刑を言い渡された恐怖も身をもって体験してきた。

2召法被執行者が確定判決の認定した「犯罪者」であるなら、当人は生涯を通して犯した犯罪と厳しく向き合い、反省し、償わなければならない。加えて、刑事裁判のシステム上の制約から必ずしも明らかにならなかった事件の真相・全体像を明らかにすることができる。死刑執行により真相解明が永久に遮断されてしまうのである。

死刑制度存置の根拠として犯罪抑止力が挙げられているが、犯罪抑止の効果について、何ら科学的証明はない。さらに、被害者の感情などを死刑制度存置の根拠に挙げるのは、その深層にある本質に眼を向けない皮相的洞察に過ぎず、道理ある理由にはならない。応報感情・思想は歴史的にも変化しており、近代の刑罰制度においては応報刑から教育刑、身体刑から自由刑へと大きく変わってきている。

世界的には、国際人権諸規定で死刑廃止の方向が打ち出されて、国連加盟国の大半である142カ国が事実上、死刑廃止国となっている(アムネスティー調べ)。日本国内においても、裁判員裁判で国民が死刑判決に関与することから、死刑制度について論議が広がり始めているところである。

国際機関においては、2007年5月18日に示された国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告において、日本の死刑制度の問題点を指摘したうえで、死刑の執行を速やかに停止するべきことなどが勧告され、さらに、同年12月18日には、国連総会本会議において、すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める決議が圧倒的多数で採択された。国連規約人権委員会においても、日本政府に対して二度にわたる「死刑廃止に向けた努力」の勧告(1993年、1998年)に続いて、2008年10月31日には、死刑廃止とともに、死刑事件には必要的再審査手続きを設けることに、再審請求や恩赦の出願事件には執行停止の措置をとるべきことが勧告された。

国民救援会は、死刑執行に抗議するとともに、当面、死刑の執行を停止し、政府が死刑廃止にむけて国民的議論を尽くすうえで必要な情報を公開することを求める。その上で、死刑廃止条約を批准して、死刑を廃止することをあらためて要求するものである。

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